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幹部を育てる昇格昇給 昇格して課長になったら昇給する役職手当にしよう

経営幹部に昇格すれば昇給する。役割と報酬がバランスしなければ不満を生むだけではないでしょうか。

御社の賃金は上下のバランスがきちんととれていますか?中小企業ではおそらく10社中9社が昇格減給になっています。昇格減給とは課長に昇格したら給料が下がってしまうことです。企業では経営幹部(管理職)になると時間外手当を支給しないかわりに役職手当を支給するというのが一般的です。しかし、役職手当が安いために昇格減給(一般社員との逆転現象)となってしまうのです。責任が増加するのに賃金は増えないのでは社員に上昇志向を持たせることは困難なのではないでしょうか。私は昇格昇給になるように役職手当の額を見直すべきであると考えます。

経営幹部としての責任を問う代わりに出すものは出す。昇格昇給はこのようなメッセージを社員に与えるのです。

<一般社員と管理職が完全逆転している例>

社員200人の小売業A社には、年齢給と勤続給がある。非常に強い労働組合があり、人事制度改革は遅々として進んでいない。当社の悩みは割増賃金を含めると一般社員の賃金が管理職の賃金を上回ってしまう逆転現象である。40代の一般社員の中には部長クラスの賃金を上回る者もいる。現行の賃金制度は、「管理職にはならないで!」(残業代より役職手当の方が少ない)「長く勤めよ!」(基本給は年齢で上がる)と言うメッセージになっている。社員の昇進意欲は低く、若手管理職は不満を抱いている。

<管理職を外したが、給料は変わらず楽になって嬉しいという社員の例>

社員80人の小売業B社には、最近エリアマネージャーを外されて、一店員となった社員がいる。創業当初に業界経験をかって月額50万円の賃金で店長として雇い入れた。店舗も社員も増えたので、管理的な仕事ということでエリアマネージャーにつけたのだが、管理能力が不足していた。会社は奮起を促す意味で降格した。しかし、この会社には役職手当がなく、賃金は基本給一本だったので賃金は全く下がっていない。会社としては少なくとも接客技術などを後輩に指導してくれるだろうと思っていたのだが、その気配はなく、「販売に専念できて嬉しい。」と本人は至って呑気である。それを噂で聞いた社長の頭には湯気が上っている。

役職手当が少ないと、次のような問題が発生します。
・昇格したが給料が減る(逆転現象)
・降格時に高い基本給が残り、大して減給になっていない
・降格したら残業代がつくので、楽になったのに給料は大して変わらない。(逆に増える場合もある)

これを改革する解決策は、
・ 昇格昇給になるよう役職手当を大幅に増額する。
・ 賞与は算定基礎を「基本給+役職手当」とする。

一般的な役職手当は部長7万円、課長5万円、係長2万円というのが相場である。(東京都産業労働局「中小企業の賃金事情(平成16年版)」)会社ごとに一般社員の残業時間が異なるので、一概に言いにくいところはありますが、私は部長13万円以上、課長9万円以上、係長1万円を目安として提示したい。例えば、基本給30万円の一般社員が30時間残業すると、残業代は約6万5千円となる。課長9万円以上であれば逆転現象は起きません。

係長を相場より低く1万円するのは、同じ役職手当でも係長の場合は、割増賃金の基礎となるからです。

ただし、管理職になったら、それを既得の身分と考えて緊張感を失ってしまうというのでは困ります。

・ 両肘掛の椅子に座って、部下に指示だけするようになっていないか。
・ 社長の方針を忠実に守り、社長の分身になっているか。
・ 経営目標の達成のために率先して動いているか。
・ 目標達成の責任を負っているか。
・ 利益を生む出す行動をしているか。
・ 部門の利益目標を達成したか。
・ 部下に社長の思いをきちんと伝えているか。
・ 社長と危機感を共有できているか。
・ 緊張感を持っているか。

上記のような視点で評価し、役職手当は洗い替え(1年毎に見直し)を行い、緊張感のある管理職としたいものです。