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「定昇の廃止」などという新聞報道に惑わされてはいけない

中小企業を取り巻く環境はまだまだ厳しいものがあります。「大手企業が定昇廃止しているのだから、中小企業である当社には昇給は必要ない」と考える経営者がいたとしても不思議ではありません。しかし、私はこれで本当に良いのかーと申し上げたい。

確かに定期昇給を見直す動きが進んでいます。この数年の間に電気、自動車などの大手企業の中には既に定昇を廃止した企業も出ています。年功序列から成果主義に移行する流れや賃金の抑制は止まりそうもありません。

激しい国際競争、特に中国との競争のなかでは、国際的にトップレベルにある賃金水準をこれ以上の引き上げることはできないといわれているからです。しかし、賃金を抑制するだけで問題は解決するでしょうか。人件費を30分の1にできるでしょうか。中国に勝つには技術力と付加価値の向上しかありません。若い人を雇い、勤続を奨励し、コツコツ育て、技術力・付加価値が高い人材を育成していくことがなにより重要ではないでしょうか。そのためには若い人が安心して生活できる水準までは定期昇給を行なっていく必要があると思います。