HOME > 就業規則・労務管理 > 就業規則を見直す場合のポイント2 義務規定は当社の実情にあうよう工夫して条文化する。

就業規則を見直す場合のポイント2 義務規定は当社の実情にあうよう工夫して条文化する。

事例2 解雇の理由を規定する際に社員として望ましくない行動を明文化した

ある素材メーカーの話です。仕事の出来る若手営業マンですが、自分勝手な行動が目立ちます。

新規の取引先から注文をとってくるのは良いのですが、小ロットで短納期の特注品が多く、アシスタントの女性社員はいつも工場とお客さんの板ばさみになって泣いているようです。営業会議や職場の集団活動にも殆ど参加しません。

営業部長が指導しても、本人は「営業は売ってなんぼです。目標管理シートにも掲げてあるし、部長も頑張れといってくれたではありませんか。」と言って態度を改めようとはしませんでした。

とうとう工場長から社長に対して「工場全体の生産性が落ちかねない」とクレームが来てしまいました。

そこで、この会社の総務部長は、この機会に一般的な解雇理由に加えて、当社にとって望ましく無い行動を明文化してみることにしました。

具体的には「上司や同僚に非協力的で、チームワークを軽視し、再三注意・指導しても改善の見込みがないと認められるとき」という規定をおきました。

実はこれによって件の営業マンを解雇しようというわけではありません。最悪の場合を示して、社員にチームワークの重要性を示したいというのが本音です。

会社は協働の場です。社員はチームワークを重視し、全体最適を考慮する必要があります。この会社の場合、受注方針や目標管理制度の改善も必要ですが、社員としての行動基準を明確にする必要がありそうです。

平成16年の労基法の改正により、解雇の理由を就業規則に明示することが必要となりました。
解雇の理由については、大きく分けて二つあるといわれています。

① 労働者の責めに帰すべきこと(労働能力の喪失、規律違反行為など)
② 経営上の必要性によるもの(事業の縮小や閉鎖など)

しかし、これに限定しなければならないというものではなりません。逆に、ここに規定したからといって、自由に解雇できるわけではありません。(裁判では「解雇権濫用法理」によって、労働者保護の観点からあらゆる事情を考慮して判断されることになります。)

この事例は、法改正をひとつの契機にして、就業規則の目的である「会社の業績向上につながる組織風土作り」を目指したとものということができます。