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就業規則を見直す場合のポイント1 義務規定なのか努力規定なのかを見極める。

「~しなければならない」のか、「~するよう努めなければならない」なのか。

法律の条文には義務規定と努力規定があります。

たとえば、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」(労基法15条第1項前段)の「しなければならない」という表現は義務規定です。必ず遵守しなければなりません。

一方、「事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」(育児介護休業法第24条第1項)の「~よう努めなければならない」は努力規定です。

皆様もご承知の基本的なことだと思いますが、あなどってはいけません。

事例1 同業他社の雛形で就業規則を作成したら、会社にとって厳しい内容となってしまった

ある社会福祉法人が就業規則を見直しました。見直すにあたっては同業他社が作成した就業規則を雛形にしました。

届出を完了し、もうすぐ1年というときのことです。小学校入学前の子供がいる複数の社員から残業免除の申請がありました。

管理部長は、びっくりしてしまいました。当社の育児介護休業規程を確認したところ、育児のための時間外労働免除制度という条文があり、「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する職員が当該子を養育するため請求した場合には、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、時間外労働をさせない。」と規定されていました。

管理部長は「今あなたたちが残業をしないということになると施設の正常な運営ができない。なんとか思いとどまって欲しい。」と説得しました。「たしかに他の人が困るわね。」とその場は収まりましたが、このままでは済みそうにありません。

最近は同業他社との競争が激化し、要員もぎりぎりで組んでいるのでいろいろと影響が出そうです。

育児介護法が改正され、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置が規定されました。これは努力規定です。国としてはこの方向で企業に努力していただき、一定の導入が進んだら、義務化しようというものです。

現時点ではあくまで努力してくださいということでしかありません。

すなわち、努力規定を就業規則に規定するということは、国の政策を先取りするということです。いわば最先端の取り組みです。仕事と家庭の両立などは時代の要請でもありますので、出来るだけ早く取り入れるという姿勢は大切です。

しかし、中堅中小企業は義務化されるまでは無理しないという考え方も十分に成り立つところです。もし、規定化するのであれば、会社の体力を慎重に考慮したうえで対応すべきではないでしょうか。