賞与を成果主義に切り替えていく貢献度評価
事例 賞与も年功序列になってしまった例
A社は社員50人、社歴の長い製造業です。賃金は年功序列になっていいます。賞与の計算方法は、基本給×支給月数方式×評価係数であるため、賞与もほぼ年功序列になってしまいます。管理職と同年代の一般社員では大した差がつきません。これでは貢献度に応じたものとはいえないと社長は疑問を感じています。
事例 賞与は全員一律支給している例
B社は社員70人の製造販売業です。経営者は独特の価値観を持っています。会社の利益はみんなで稼ぎ出したものだという考えで年に一度の決算賞与は一律支給です。管理職は賃金の3ヶ月分、若手は賃金の6ヵ月分の賞与となります。そのかわり賃金は大きな差をつけています。
成果・貢献度重視に切り替えていく手順としては、賃金ではなく、まずは、賞与から改革すべきではないでしょうか。
賃金は社員にとって生活原資そのものです。大幅な変動は日々の生活を直撃します。社員の立場からは賞与も大切な生活給だと主張されると思いますが、賞与は本来、会社業績に基づいて支払うものです。賃金規程に「賞与は年間3か月分を支払う」というような表現がなければ、いくら支払うかは確定していないのですから、経営者の裁量性が大きいものなのです。
今までの賞与は、基本給×支給月数×評価係数で決めてきた例が多いと思います。
例えば、評価係数A=1.1、B=1.0、C=0.9の場合、
30万円 × 1.5ヶ月 × A評価1.1 = 49.5万円
30万円 × 1.5ヶ月 × B評価1.0 = 45.0万円
30万円 × 1.5ヶ月 × C評価0.9 = 40.5万円
これでは、賞与も年功序列化してしまいます。成果・貢献度に応じた方式に変更する必要があります。
具体的には、賞与を貢献度評価分(分捕り部分)、会社業績分(比例配分)の二つに分けます。
貢献度部分は年齢や勤続、基本給の額などに関わりなく、つまり、一般社員であれば若手も中高年も同じ土俵で勝負することになります。貢献度は当社の業績を左右する最も重要な事項の達成度を評価して決定します。そして、この部分を賞与の総原資から先に確定させてしまいます。
例えば、製造業では、職務能力、正確さ、スピード、5S、勤務姿勢の5項目にそれぞれSABCDの5段階で金額をつけます。S=5万、A=4万、B=3万、C=1万、D=0というふうにです。5項目全てがSならば、貢献度部分25万円が確定ということになります。社員それぞれを確定していき、残った部分を会社業績分とします。
会社業績分は基本給や基本給+役職手当などの比率に応じて全員に配分します。
賞与の査定結果を伝えるときには、次回からは正確な仕事に努めてくれよなどと「仕事の上で自分が何をなすべきか、要求されていること」を明確に伝えることによって、社員の成長に結びつけることができるのではないかと思います。
なお、役職者については、貢献度部分の金額を例えばS=10万とするなどして厚く報いることとしたいものです。


